#17. 🇦🇹 ホーフブルク宮殿
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快適なベッドでしっかりと休養し、少し遅めに外に出た。
本場のザッハトルテを食べてみたい。
「aida」という1913年から営業している歴史あるカフェに入った。
後にわかったことだが、ここはチェーン店で至る所に支店があるようだ。
店頭には様々なケーキが並んでいる。
ザッハトルテらしきケーキとコーヒー(小)を注文した。
コーヒー(小)と言われて出されたのはエスプレッソだった。
ザッハトルテには生クリームがついてくると思っていたが、このケーキには生クリームはついていない。
一口食べてみたがとても甘い。
コーティングのチョコは砂糖が甘ったるく、中のケーキもまた甘い。
その甘さがエスプレッソの苦さと相まって丁度良い。
ケーキの中はアンズらしきジャムの味がほんのりとする。
想像していたものと違うなと思いながら、甘いケーキと苦いコーヒーを楽しんだ。
お会計は7.4€。
カフェを出てしばらく歩く。
かつて宮殿として造られた建物を再利用している「カフェ・ツェントラル」には、多くの人が並んでいた。
カフェ・ツェントラルを通って更に進むと、「ホーフブルク宮殿」が姿を現わす。
ヨーロッパ随一の名門王家であるハプスブルク家によって640年間使用された宮殿だ。
現在は博物館や大統領公邸などの役割を持つ。
当時の貴族の気分を味わおうと、宮殿の周りを馬車で移動する観光客もいる。
宮殿の正面の壁には立派なモニュメントがあった。
当時の権力の大きさがわかる。
宮殿前の「聖ミヒャエル教会」が目立っている。
何台もの馬車が宮殿の前で待機している。
異様な光景だ。
宮殿に入ると大きな広場が現れた。
この広場は宮殿の敷地内である為、恐らく昔は一般人は入れなかっただろう。
さらに進むとまた大きな広場が出てくる。
この広場を抜けると昨日訪れた「マリア・テレジア像」の所に出るようだ。
馬車が中に入って行く様子は、中世のヨーロッパのイメージそのものだ。
外壁にはポセイドンらしき彫刻がある。
宮殿を出て右に歩いて行くと、人だかりができていた。
覗いてみるとどうやら馬の厩舎のようだ。
すぐ近くではピノキオの専門店もある。
歩き続けると、豪勢なツーリストインフォメーションの建物が出てきた。
なぜかホットドッグ屋に行列ができている。
このすぐ近くには世界一のオペラハウス「ウィーン国立歌劇場」があるようだ。
ここは「ホテルザッハー」だ。
ホテルの下にあるカフェ「カフェザッハー」は有名店である。
外に溢れるほどの行列ができていた。
1832年から営業しているこのカフェは「ザッハトルテ」の発祥店だと言われている。
裏側の入口でも同様に行列ができていた。
カフェの裏側は、ファッションブランドなどが並ぶ若者向けの通りだ。
若者通りの一つ隣の通りには「カプチーナ教会」がある。
この質素な教会は驚くことにハプスブルク家代々の墓所となっているらしい。
マリーアントワネットの母、マリアテレジアもここに埋葬されているそうだ。
教会の前には18世紀に作られた「ドンナーの泉」がある。
ウィーンには土産屋が多い。
その多くは当然のようにモーツァルトを広告塔にしている。
若者通りを進むと世界遺産の「シュテファン大聖堂」が出てきた。
ここは歴代ハプスブルク家君主の墓所であり、モーツァルトの結婚式や葬儀が行われた場所だ。
ここは世界で3番めに高い聖堂らしい。
入場料は無料だが、教会中央の鉄網で仕切られた部分は有料だ。
この聖堂は大きいがバチカン市国の「サン・ピエトロ寺院」には見劣りする。
教会のすぐ近くにあるのは「モーツァルトの家」だ。
今は博物館となっているこのアパートには、実際にモーツァルトが住んでいたという。
アパートの前には石の小さな椅子がある。
モーツァルトも一度はここに座ったのだろうと写真をとっておいた。
オーストリア定番のお土産「Manner(マンナー)のウエハース」の店にやってきた。
少し歩くと「聖ペーター教会」が現れる。
ここも入場料は無料だ。
毎週土日の17時にここでモーツァルトのコンサートが開かれるようだ。
教会の横には「ペスト記念柱」がある。
ヨーロッパで大流行し、大勢の人々を死に追い込んだペストの終焉を祝って作った柱だ。
また宮殿へと戻ってきた。
宮殿の前にはローマ時代から残る遺跡がある。
しかし、あまりパッとしない。
ホステルへと向かう途中、行列を見かけた。
Google Mapで調べると、どうやらカフェのようだが詳しくはわからなかった。
「カフェツェントラル」では相変わらず大勢の人が並んでいる。
お腹が空いたのでケバブ屋に立ち寄った。
「ドネルケバブ」は3.5€と高すぎず、安すぎない妥当な値段だ。
子供用の野球グローブくらいある特大ケバブが出された。
さらに、冷蔵庫からジュースを選べと店主は言う。
また、デザートまでついてくる。
これで3.5€は安い。
十分に腹は満たされ、デザートに手をつけた。
とても甘ったるい。
パイ生地を砂糖水につけたようなデザートた。
本日は日曜日なのでどこの店も空いていない。
スーパーマーケットもファッションストアも開いていない。
“日曜日はキリスト教では全員が休息をとる日”という考えが、ヨーロッパではしっかりと浸透している。
稼ぎ時である日曜日に店を閉めるのは、商売としてはどうなのだろうか。
ホステル近くに唯一開いているSPAR(スーパーマーケット)がある。
しかし、病院の中にあるようで入口がわからない。
結局大きな病院を一周して帰ることになった。
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ホステルのルームメイトであるベルギー出身の男は良い奴そうだ。
彼は自分と同い年で誕生日が1日違いだ。
交換留学でウィーンに来ており、これからここで半年過ごすようだ。
住居の手続きが済むまでホステル生活になるらしい。
ベルギーの首都ブリュッセルについて聞いた。
彼が言うには家賃は学生寮で400€、普通だと700、800€はするらしい。
給料は大卒で1800€スタートなので、生活水準はどうやら日本とあまり変わらないようだ。
ホステルの受付でスーパーマーケットの場所を聞いた。
徒歩15分のところに22時まで開いている「BILLA」というスーパーがあるらしい。
ホステルの受付にはBILLAをおすすめする紙が貼っていた。
歩いてちょうど15分でその店は見つかった。
比較的大きなスーパーマーケットで様々な食材が売られている。
ビールとサンドイッチを1.92€で買い、食べながらホステルへと帰った。
帰り際に酔っ払いに何か言われたが、反応せず歩き続けた。
明日はウィーンの宮殿巡りをしよう。
本日の出費は、
ホステル宿泊費20.49€、食費12.82€、
クラクフ行きのバス代12€で
合計45.31€