#13. 🇭🇺ドハーニシナゴーグ&漁夫の砦
9/13
今日はホステルを「Marverc hostel」に変更した。
朝に移動を済ませ、ヨーロッパ最大のシナゴーグ「ドハーニシナゴーグ」へと向かう。
真昼間から観光客の長蛇の列ができている。
10分程でチケットカウンターに到達した。
価格は4,000フォリントだが、学生料金の3,000フォリント(約1200円)で入れた。
人が多かったせいか、学生証の提示は必要ない。
なぜか入場時の手荷物検査でひっかかった。
簡単なボディチェックを受け、警備員から質問された。
「Are you from Japan? Ninja! You have a shuriken!」
(日本から来たん?忍者やろ!手裏剣持ってるやろ!)
陽気にからかわれる。
入って右手にシナゴーグがある。
シナゴーグの入口にいる老人から、紙の帽子を受け取った。
男性はこれを被らないといけないようだ。
ヨーロッパ最大とあって中はとても広い。
キリスト教の教会同様、前に祭壇があり、席がずらっと並ぶ。
様々な言語でシナゴーグについての説明がされているようだ。
アジアの言語は無いが、偶然日本人のツアー団体がいて日本語での説明がされていた。
“1941年から1945年の間、ナチスドイツとその同胞であったハンガリーは、50万人近くものハンガリー系ユダヤ人を殺害した。
ホロコーストの10人に1人の被害者、または、当時アウシュビッツにいた3人に1人の被害者は、ハンガリー人であった。”
“この窓から、ブダペスト収容所の前門が見える。その門は1994年の冬に建てられた。大勢のユダヤ人が収容所に収監され、飢えや寒さに痛めつけられ、爆弾によって殺されたり、大量虐殺が行われたりした。2000人以上の被害者がこの庭に埋められた。今日では、この窓からはハンガリーにおいて最も大きなホロコーストの墓をみることができる。”
シナゴーグと博物館の間にある庭にやってきた。
“収容所は1995年1月18日にソビエト赤軍によって解放された。身元確認と死骸の埋葬は、シナゴーグの庭で行われた。”
“矢十字党(ハンガリーナチス)による恐怖政治や長い苦しみに続いてくる飢餓の後、庭の24つの集団墓跡に2281名の被害者が埋められた。”
ホロコーストの歴史は凄まじく残忍だ。
普通の人間が、ある民族に対して異常なまでに憎悪を覚え、絶滅させようとした黒歴史だ。
クロアチアで出会ったドイツ人と話をした際に興味深い話を聞いた。
「今のドイツ人は少なくとも親族か知り合いに元ナチスだった人がいると思うよ。私の叔父の知り合いもナチスだった。でも、おかしいよね。あんなに狂っていた国なのに、今では国民からはそんな要素が一つも感じられない。」
シナゴーグの出口には鉄でできた木のモニュメントがある。
この鉄製の木には、ホロコーストの被害者の名前が刻まれている。
シナゴーグを出て街を歩いた。
ユダヤ教の帽子を被った人が歩いている。
しかし、現在ブダペストにはほとんどユダヤ人は住んでいないらしい。
ヒトラーの望み通り根絶やしにされたのだろうか。
ユダヤ人街を歩いていると出てきたのは、屋台が並ぶフードコート。
ずっと気になっていた「Langos」を買った。
薄く伸ばして揚げた生地に、ヨーグルトソースとチーズがたっぷりのっている。
とても脂っこくチーズが重たい為、半分ほどしか食べきれない。
この「New York Cafe」は世界一美しいカフェと言われている。
その内装は宮殿にいるような気分を味わえる。
中に入るだけで食事はしなかった。
続いて来たのは「恐怖の館」。
社会主義時代の様子を展示した博物館である。
入場料は3000フォリント。
博物館の前にはドイツの「ベルリンの壁」の一部がある。
ナチスに加わった一つの国として、その責任を表しているのだろうか。
その横には西欧、東欧を分ける象徴となった「鉄のカーテン」がある。
カーテンは実際にあったわけではなく、その言葉自体がよく使われた。
博物館の中はカメラの持ち込みが禁止なので撮影は出来ない。
展示物や歴史について説明するA4用紙が何十枚も置かれている。
留学中の課題と同じくらいの量の英文を読むことになる。
博物館の地下には実際に使用されていた拷問部屋や牢屋があり、多くの人がここで殺された。
政府は熟考の末、ソビエト連邦とナチスドイツの同盟国になることを決断する。
そこからユダヤ人の大虐殺を含む暗黒時代が始まった。
ホステルのチェックインを済ませ、「ブダ城」へと向かった。
ブダ城がある丘の上を登った。
しかし、どの建物がブダ城なのかわからない。
ブダ城は戦争で崩壊し20世紀半ばに建て直された為、比較的新しく他の建物と見分けがつかないのだ。
ブダ城から北に数分歩くと「マーチャーシュ聖堂」が出てくる。
ライトアップが綺麗だ。
聖堂の前にあるのは「漁夫の砦」。
岩で作られたその砦はブダ城よりもずっと城っぽい。
ブダペストの観光地は全部見ることができた。
大満足したと同時に日が暮れてきた。
夕食は「Grinzingi Borozó」に行くつもりだ。
幸いにもホステルの裏の通りにあるようだ。
夕食の時間ということもあって店内は賑わっている。
シュニッツェル(カツ)とビールを注文した。
もちろんWiFiもしっかりと聞いておく。
ジョッキでキンキンに冷えた生ビールと、揚げたてのシュニッツェル。
備えつけのフライドポテトが嬉しい。
シュニッツェルは叩いて薄く伸ばした豚肉をサクッと揚げた料理だ。
日本のトンカツほど重たくはない。
帰りにレストランの隣にあるスーパーで、プレッツェルと缶ビールを買った。
本日の出費は、